[母乳小説]
| 著作/しじゅうななお |
CHAPTER2
湊清吾が購買で売れ残っていたクリームパンと牛乳を片手に教室に戻ってきた頃には、昼休みは残り20分を切っていた。
いつも通りの一番後ろの決められた窓際の席に着いて、パンの袋を破って紙パックのストロー差込み口にストローを差込み、ほぼ交互と言って良い程、食う飲むを何回か繰り返して2分足らずで食べ終えてしまった。
二つとも先程まで口の中を甘美なまでに包んでいたゆうなの母乳とは全く異なり、舌が記憶している加工された乳製品の味である。しかし、赤ん坊ではないので母乳では満たされないお腹を満たしてくれる事は確かだった。
食べ終わったゴミを、ドアの側に置かれたごみ箱に捨てに行くついでに清吾は廊下を覗き見た。ゆうなが戻ってくる気配はない。その視線を廊下の隅で壁に寄りかかりながら談笑をしている女子のグループに向ける。
グループの一人、小柄で典型的な三つ編お下げ髪にトンボ眼鏡の女子生徒が、清吾の視線に気付いて一瞬、表情を暗くするもすぐに何事も無かったように談笑の輪の中に戻る。
3―D赤坂ミツキ、青山ゆうなの友人だ。
2日前。放課後、教室──。
部活動及び委員会活動をしている生徒を除けば、下校の時刻を過ぎた午後5時近くの教室に人影はない。
湊清吾から話があると言われ生徒会の仕事を終えた後、ミツキはF組の教室へ向かった。ゆうなは今日、図書委員として貸し出しの延滞確認作業を当番の生徒と共に全学年分調べ無くては行けない為、一緒には帰れないと思っていたがこの分なら帰れそうだ。湊に感謝しつつ、おまけに愛の告白なんてモノをされてしまったら──、ミツキは妄想を膨らませつつ、それを笑顔に変えて湊の席に近い教室の後ろ側のドアを開けた。
「湊君、居る?」
まだ居るのは分かっていたが、わざと声を出してミツキは訊ねる。湊は教壇机の寄りかかり窓の方を向いていた。その目はどこか遠くの方を見つめていた。
わざとらしく湊の方へゆっくりと歩み寄り、背中側に寄る。一拍遅れで湊がミツキの方を向いた。
「話ってなーに?」
自分でも気付かぬうちに笑顔で、ミツキは湊に訊ねていた。
湊は無言のまま、それまで寄りかかっていた教壇机の方を向いて、ズボンのポケットから2枚の写真を無造作に机上に置いて視線を落とした。
釣られてミツキも2枚の写真に視線を落とすと、それまで膨らんでいた妄想が一気に音を発て崩れ始める。2枚の写真は画質こそは荒いものの、明らかに目鼻顔立ちが分かるロングヘアーのワンピース姿の少女が、中年の会社員風の男と腕を組み、有名なホテル街へと消えていく姿と『ホテルパッション』と掲げられたホテルから出てくる姿が焼かれていた。共に日付が入ってはいないが、つい最近撮られたというのが季節感から判別出来る。
「最近、便利なモノが増えたよね。特にカメラ付きケイタイなんてさ……」
写真に目を通していた清吾はそこまで言って、何時の間にか黒板を背にして立つミツキの表情をうかがった。ミツキの視線は誰かが助けに来てくれないかと頻りにドアへと向けられている。だが時間帯を考慮するとそれは不可能だ。
「何、これ。ワタシじゃないよ」
ミツキはそう言って、自分の言った言葉が選択として間違いだった事にすぐに気付いたが、すでに取り返しはつかない。
一瞬、清吾の口に笑みが浮かんだが、ミツキの目には無表情と言っていい程、変わりないモノに映っていた。
「じゃ、誰なの?」
清吾はそう言ってミツキを冷静に見据える。ミツキの表情には明らかにこの場を切り抜ける為の嘘を思考し続けていた。その証拠に一筋の汗が頬から首筋に掛けて落ち、視線を合わせまいとしている。しかし、そんな余裕を清吾は与える気は一切無い。
「ばれたら退学だよね。赤坂さん、成績優秀だし、先生達からも期待されてるじゃん」
清吾はそこまで言って机の上に両肘を置き、両手を顔の前で組んだ。見据えた目と組み合わさると、尋問に長けた軍の将校を彷彿とさせる。
ミツキの足は動かない。
ミツキの様子をじっくりと観察していた清吾は組んでいた両手を解くと、清吾はミツキの側まで歩み寄る。ミツキの視線は清吾の捕らえてはいるが、わずかに瞳孔が開き、緊張が隠せないでいる。
清吾は派手な音を発てて黒板に両手を突いた。音に合わせてミツキの身体がわずかに震えた。身体から力が抜け、崩れ落ちるようにして床へと座り込む。ミツキが座り込むスピードに合わせて、清吾の顔がミツキの表情から離れまいと追いかけてくる。
「援助交際って、どういうことしてるの?」
無表情のまま訊いてくる清吾にミツキは首を振った。
「俺、そういうの詳しくないからさ、教えてよ?」
更なる問いにミツキは首を降り続ける。
「飯食うだけで2万貰ってるってホント?」
「や、め、て」
搾り出すようにしてミツキはそう言い、両耳を塞ぐ。
「やっぱ、エッチな事するの?」
「やめて」
指のわずかな隙間から入ってくる声に、ミツキは唯一、先程よりもはっきりと言ったその言葉と目を閉じて自分を守ろうとした。
しかし、無駄なあがきだった。
(落ちたな……)
清吾は確信すると、右手でミツキの胸をブラウス越しにまさぐりだした。突然の行いにミツキは目を見開き、清吾の方を見た時には唇を塞がれていた。
清吾の舌が、ミツキの唇を割って口中へと侵入する。ミツキは身体を緊張させてそれに耐えるしかなかった。
清吾の唇が、ミツキの唇から離れる。
ミツキの表情には戸惑いが浮かんでいた。
「何が、望みなの?」
疾うに逃げ出す気力も失せ、それだけをミツキはやっと吐き出すようにして言った。
「友達のこと、教えて欲しいんだ」
「ともだち?」
「青山さんのことだよ」
「ゆうなのこと? 好きなら自分で聞いたら」
自分目当てでは無く、ゆうなが目当てなら何故こんな事をするのか?清吾の行いをミツキは理解できず多少は強がってはみたが、会話の主導権は完全に清吾が握っている。
「勘違いしてない? 俺、青山さんのこと好きなんて言ってないよ」
清吾はそう言うと、ブラウスのボタンを外しにかかりだした。
「み、湊くん」
「中途半端は嫌いなんだ」
やめてよと続けようとしていたミツキの言葉を清吾の言葉が制する。ブラウスの胸元が露わになってピンク色のブラジャーが姿を見せている。
「声出しちゃうから」
「別に構わないよ、その時はその時だしね」
清吾のその言葉には、罪悪感が無いというよりもあきらめの雰囲気をまとっている。
これだけの事をしておきながら、表情一つ変えずに自分を見つめる同級生。そうでありながら不気味な所は一切無く、不思議と総てを任せてしまってもいいようにミツキは感じていた。
「ゆうなの、何が知りたいの?」
ブラジャーを上へとずらして、胸をゆっくりと愛撫している清吾を見つめ、なるべく声を殺してミツキは訊ねた。
「友達だから話せること、例えば、悩んでることとか……」
清吾は一旦、ミツキの胸への愛撫を止めて顔を上げて切り返す。
「んっ、ゆうな、見て分かると思うけど……、おっぱい、おおきいでしょ……。あんっ」
手だけの愛撫に舌が加わると、ミツキは甘い声を漏らした。清吾は慌てる事はないものの、用心の為にミツキの口を左手で軽く塞いだ。
「だから?」
ミツキに顔を寄せて、清吾はミツキの口を塞いだ手を外して訊ねかえす。ミツキの胸への愛撫を止める事はしない。胸が大きい娘の悩みなんて男でも分かる。大きいことで嫌でも注目を浴びる、胸の重さが肩に負担となって来る。
「ゆうな、凄く元気の無い日があって、ワタシから悩み聞いてあげようと、思って訊ね、たんだ。んっ」
そこまで話して、ミツキの口中に再度、清吾の舌が侵入して絡みついてくる。ヤニ臭い会社員達から受けるディープキスよりかは、臭いも無く唾液が滴り落ちる程しつこく絡みついてこない分まともだった。
「それで?」
清吾の唇を離して訊ねる。ミツキの胸を愛撫していた右手は、ミツキの身体の上を滑るようにして移動すると、スカートの中に挿し込まれた。
「生理で、体調が優れないって、あんっ」
「俺には分からないけど、女の子は大変だよね生理の日なんて」
そう言って清吾は、下着の上から秘部を触りだした。胸の愛撫だけでミツキの秘部は下着を濡らす程になっている。
「おっぱい揉まれるだけで濡れちゃうんだ。赤坂さんって感じやすいんだね」
「んはぁ、みっ、湊君。質問、答えられないから、ちょっと、やめて……」
ミツキはそう言って、自分の秘部を撫で回し続ける清吾の腕を掴んで制しようとするが、すぐにがら空きの清吾の左手がそうはさせまいと、ミツキの右手を掴んだ。
「だったら、今すぐ入れちゃおうか?」
「え……っ?」
清吾はそう言うと、ミツキに反論する余裕も与えないまま、スカートをめくり上げて両手でミツキのパンツを手早く下げると、パンツを左足だけにぶら下げる格好にさせる。自分の方もズボンのベルトを解いて、ズボンとトランクスを足首までずらすと、十分なまでに欲望を漲らせている分身をさらけ出した。そのままミツキの秘部へと先端を宛がい、じらす。
「質問なんて、終わった後でゆっくりするから」
そう言いながら清吾は、頬を朱に染め、悩ましげに自分を見るミツキを見つめつつ、根元を掴んで先端とミツキの秘口とを合わせて挿入した。十分に潤いを保っているミツキの中に清吾はすんなりと入っていくが、150センチ程の身長の為なのか胎内は狭く締まりがいい。
「んっ、あはっ、ひはぁ、はぁ」
清吾が腰を動かすと、誰かに気付かれてはいけないとミツキも必死に声を殺しながらも、小さく、悲鳴が混ざったような喘ぎ声を漏らす。そんなミツキの顔を清吾は見つめた。眼鏡に三つ編、一瞬見ただけでは野暮ったい印象を受ける。だが眼鏡を外し三つ編を解いた時、今、身体を犯している女子は男を惑わす妖精になる。小さい背に男の両手で包めば隠れてしまう乳房、眼鏡の奥に眠る可愛らしい小型犬ような瞳に、ミルクを混ぜたような白い肌──、ミツキを抱く男達の性癖が少女性愛である事は一目瞭然だ。。
(締まりよすぎ、早く出ちまうな)
ポーカーフェイスを押し通してきたが、ミツキの肉壁が程好い締め付けを与える度に下半身から立ち昇る感覚に清吾は表情を崩す。教室の窓から夕焼けに変わりつつある日光を、清吾はたっぷりと背中から浴びて、うっすらと汗を浮かべていた。
「ミツキ……」
腰を動かしながら、清吾は初めてミツキを名前で呼んだ。目を閉じ、歯を食いしばって固い床に寝かされたまま官能を受け止めているミツキが、閉じていた目を開けて、清吾を見つめる。
「イキそうなんだけど」
「んっ、中は、だめだからね」
瞳を潤ませながら、ミツキは切なげに答える。自分を金で買う男達の一方的な感情しか入らない性交渉と比べると、同級生相手は新鮮だった。
「じゃ、顔になるけどいい? 制服、汚れちゃうから」
「あんっ、いいよ、飲んであげる」
ミツキはそう言って再度目を閉じ、歯を食いしばった。清吾は絶頂に向けての腰の動きを早めると共にミツキの身体の奥を突く。
「出すよ」
「いいよ、かけて」
清吾は一言、呟くようにして言い、ミツキの返答を確認すると、数回程、激しく突いてミツキを絶頂まで送り込んでやると、素早く引き抜き、やや急いでミツキの口元まで持って行って右手で扱き出した。先端からこの時を待ちわびていたかのようにはっきりと白色と分かる精液が出て、ミツキの唇、頬を汚していった。
全ての精液を扱き出すと、半開き気味のミツキの口の中へと、清吾は自らが撃ち放った精液を指ですくうようにして集めるだけ、集めてやる。ミツキの口元から一片の精液が見当らなくなるとミツキは喉を鳴らして飲み込んだ。
清吾は立ち上がって、足元までずり降ろしていたトランクスとズボンを再度、履くと、ポケットから携帯電話を取り出し、ボタンを操作してカメラ撮影モードにした。ミツキの方を見下ろし、半ば放心状態にあるミツキを、レンズを通して映る液晶画面に捕らえてボタンを押した。
「な、なに?」
ピピっと小鳥のさえずりのような効果音が聞こえて、半ば放心状態にあったミツキはそこで事の重大さに気付いた。教室の床の上で、はしたない姿で横になっている姿を撮られたのである。
ミツキは今にも泣き出しそうな顔で清吾の方を見た。清吾の表情は、先程の尋問に長けた軍の将校のような冷徹な顔に戻っている。
そして、一言。
「机の上の写真は処分しておくよ。でもこっちは記念に貰っておくからね」
その後、清吾はミツキから青山ゆうなに関する秘密を聞き出した。ミツキ自身はゆうなが生理期間中、その前後も合わせて母乳が出るなど、全く信じられず冗談にしか思っていなかったが、ゆうなの悩んでいる真剣な表情を見て、本当では?と思うようになっていた。しかし、それが本当かどうかを訊きだす事で、ゆうなを特別視してしまうのが友達として嫌だったと言う。
清吾はそれだけを聞き出せば後は事を移すだけであった。
実際、付き合うようになって事まで運べれば、学校一の巨乳に触れるという下心見え見えで、ゆうなに告白してくる連中も後を立たない。だが、わざわざ告白して付き合って、セックスまで運ぶ等という回りくどい作業を清吾はしたく無かった。身体目当てならそんな事をする必要は無い。レイプする手段もあるが、自分自身の社会的な信用を失うという危険を背負う程、馬鹿ではない。
だからこそ、狙いを定めた相手の他人には知られたくない程の弱味を握り締める。そうする事で単純に下心見え見えの連中よりかは主導権を得られる。
(あとはどれだけ、可愛がるかだけだな……)
清吾は考えながら教室から廊下へと身体を出して、壁に寄りかかりながら腕を組んで、談笑を続けている女子のグループを見つめていた。
不意に談笑の輪の中からミツキが抜け出して清吾の方へと歩み寄る。残る女子生徒達は何が起こったのか、これから何が起こるのか興味有り気に二人を見つめている。
「どうしたの?」
2日目前の出来事が嘘のような別人の笑みでミツキを見つめながら、清吾は訊ねた。ミツキの顔からは全くと言って良い程、血の気が引いており、今にも貧血で倒れてしまうのではないかという程、表情は暗い。
「……、お願い、ゆうなには何もしないで」
搾り出すようにして、ミツキが言う。
「何もしないでって? 赤坂さんには関係ないでしょ?」
清吾が笑顔のままそう訊ねかえすと、ミツキは清吾の胸元の辺りを力無く掴んだ。
「ゆうなにはひどいこと、しないで……。するなら、ワタシだけにして」
「赤坂さんって、そういう願望があるんだ。ひょっとしてM?」
ちらりと、先程までミツキがいた女子達の方を一瞥する。女子達はこの後の展開をあれやこれやと口走っている。
清吾はミツキの耳元まで、口を寄せる。
「あいつらに見せつけちゃおうか?」
清吾はそう言うと、すぐにミツキの耳元から口を離して、ミツキが考えている余裕を与えないままにミツキと唇を交わした。途端、女子達からかすかに黄色い歓声が上がる。
「ウッソー」
「湊君って、大胆」
「マジなのぉ」
驚いた表情のまま、口々にそう続ける。清吾は横目で女子達の方を睨み付けると、女子達はわざとらしく回れ右をして背中を見せた。
清吾はミツキから唇を離した。それでもなおミツキの表情は変わらない。
もう一度、清吾はミツキの耳元に口を寄せた。
「青山さんの秘密漏らした事、本人には言うなよ。話したら、2日前よりひどくなるかもよ。でも、そういうのが望みだったら……、してあげるからね。いつでも」
今はミツキには興味が無い、ゆうなに飽きたら相手をしてやる。それに似た言葉を清吾はミツキにそう告げ終えると同時に、5限目を告げる予鈴が鳴った。
| <続く> |
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